寄付とは、自分の意思でお金や物を提供し、人や活動を支えることです。子どもの学びを支える、被災した人の生活再建を助ける、自然を守るなど、応援したいことに参加する方法の一つです。 大きな金額を用意する必要はありません。たとえばWWFジャパンには500円からの都度寄付があり、カタリバには月1,000円からの継続寄付があります。この記事では、言葉の違いから支援の仕組み、具体的な始め方までを紹介します。 寄付とは?寄附・募金との違い 「寄付」と「寄附」は同じ意味で使われる表記です。法律や税制の資料では「寄附」が使われることが多く、国税庁の制度名も「寄附金控除」となっています。 図で見る「募金」と「寄付」は、立場が違う 支援する人← 募金支援を呼びかける 寄付 →お金などを提供する 活動する団体 01寄付・寄附 意味自分の意思でお金や物などを提供すること 具体例支援団体へ1,000円を送る 02募金 意味寄付を呼びかけ、お金を集めること 具体例災害支援の募金を呼びかける 03寄贈 意味主に本や物品などを贈ること 具体例受け入れを希望する図書館へ本を贈る 04義援金 意味被災した人などに届ける金銭的な支援 具体例国内災害の被災者の生活再建を助ける 05支援金 意味支援活動などに使うお金 具体例被災地での支援活動の費用を支える 日本赤十字社に国内災害義援金を送ることも、寄付の一つです。同じ団体でも、義援金と活動資金のように募集ごとに使い道が異なるため、募集の目的を見て選びます。 出典:日本赤十字社「よくあるご質問」、国税庁「一定の寄附金を支払ったとき」 寄付したお金は、どのように届く? 寄付は、受け取った団体が募集の目的に沿って使います。主な届け方には、本人への金銭的な支援、医療や食事などの提供、地域の生活環境の改善があります。 寄付の届き方は、大きく3つ 01お金を届ける義援金・奨学金などで、受け取る人の生活を支える。 02必要な支援に変える医療・食事・学びなどの活動を支える。 03地域の環境を整える水・保健・教育など、地域全体を長く支える。 01 お金を届ける被災した人へ、生活を立て直すためのお金を届ける 日本赤十字社の国内災害義援金 届け方義援金の全額が、被災都道府県の配分委員会から自治体を通じて被災者へ届きます。選ぶときの視点被災者への金銭的な支援なら義援金、救護活動を支えたいなら「活動資金」。同じ団体でも使い道が異なります。出典:日本赤十字社「よくあるご質問」 01 お金を届ける学生本人へ、返済不要の奨学金を届ける 公益財団法人ガクシー財団 届け方当財団が寄付金を受け入れ・管理し、学生の学費・生活費に使う給付型奨学金を支えます。選ぶときの視点給付の対象・金額・期間は募集要項で確認します。使途を任せる一般寄付と、対象・名称から相談する冠奨学金は、費用と進め方が異なります。制度を比べる →出典:当財団の寄付案内 02 必要な支援に変える医療や学習の場など、必要な支援に変えて届ける 国境なき医師団 届け方紛争・災害などで医療が必要な人へ、薬・設備・専門職などを通じて支援を届けます。選ぶときの視点使途は原則団体に任せ、緊急性・必要性に応じた活動を支えます。現金を本人へ直接渡す方法とは、支援の届け方が異なります。出典:国境なき医師団「寄付について」、よくあるご質問 03 地域の環境を整える子どもを取り巻く地域の環境を整える ワールド・ビジョン・ジャパン 届け方チャイルド・スポンサーシップは、一人の子どもとの交流を通じ、地域の教育・保健・水などの環境を支えます。選ぶときの視点紹介された子どもへ寄付金を直接渡す制度ではありません。本人への金銭的な支援か、暮らす環境への支援かを確かめて選びます。出典:ワールド・ビジョン・ジャパン「支援・参加方法」 寄付をするメリットと、始める前の注意点 寄付なら、自分が現地へ行ったり、医療や教育の専門知識を持ったりしていなくても、活動する団体を通じて支援に参加できます。続けて寄付する場合は、団体が資金を見通しやすくなり、長期の活動を支えることにもつながります。 寄付した後に活動報告を読むことで、関心を持った社会課題をより深く知るきっかけにもなります。税制の条件を満たす寄付では、確定申告によって税金の軽減を受けられる場合もあります。 一方、寄付は、使い道をいつでも自由に変えられるものではありません。 特定の事業に使ってほしい場合は、その希望に合う募集を選びます。金額や継続期間は家計を優先し、手数料の負担も確認してください。日本ユニセフ協会の毎月の寄付のように団体が負担する場合も、振込などで寄付者が負担する場合もあります。 出典:日本ユニセフ協会「毎月のご寄付について」、国境なき医師団「寄付の使い道に関するFAQ」、国税庁「一定の寄附金を支払ったとき」 寄付にはどんな方法がある? 初めてなら、一度だけの寄付から参加できます。続けたい活動が見つかったときには、毎月決まった額を寄付する方法も選べます。 方法 | こんなときに選びやすい | 申し込み前に見る点 | 都度寄付 | まず一度参加したい、特定の募集を支えたい | 使い道、受付期間、支払方法 | 継続寄付 | 同じ活動を長く支えたい | 毎月の金額、変更・停止の方法 | 物品による寄付 | 手元に受け入れ対象の物がある | 品目、状態、送料、直接使うか換金するか | ポイントによる寄付 | 対応するポイントを持っている | 寄付先、交換単位、受付期間 | 遺贈寄付 | 自分の亡くなった後に財産を役立てたい | 遺言などの手続き、寄付先の受け入れ条件 | ※ 横幅のある表は、スマートフォンでは左右に動かして読めます。 遺贈寄付については、遺贈寄付の仕組みと進め方で詳しく紹介しています。 物は、受け入れ対象を選んで送る 図で見る物を送る寄付でも、届く先は「物」とは限らない 01本などを送る団体が指定する提携の買取先へ 02買取先で査定買い取った金額が寄付になる 03こども食堂を支える活動に必要な資金として活用 むすびえの「むすびえモノ寄付」の例。受入対象を確認して送ります。 一方、日本赤十字社は、原則として物資ではなく金銭による寄付をお願いしています。必要のない物を送ると、受け取る側に仕分けや保管の負担が生じます。物を送る場合は、受け入れが明記された募集を選んでください。 出典:むすびえ「むすびえモノ寄付」、日本赤十字社「よくあるご質問」 ポイントなら、1ポイントから参加できる窓口もある Yahoo!ネット募金では、対応するプロジェクトへVポイントを1ポイントから寄付できます。使うポイントと支援したい募集を選べるため、手元のポイントから始めたい方にも向いています。 また、日本赤十字社は、エポスポイントやJRE POINTなどを活動資金へ寄付できるプログラムを案内しています。利用するサービスによって交換単位や条件が違います。例えば、エポスポイントによる寄付は、領収書が発行されず、寄付金控除の対象外です。ポイントを使う前に、税制上の扱いも確認してください。 出典:Yahoo!ネット募金、日本赤十字社「各種カードのポイントなどを利用して寄付」、エポスポイントの利用案内 クラウドファンディングは、募集の種類を見て選ぶ クラウドファンディングにも寄付を募るものがありますが、商品やサービスを受け取る購入型など、仕組みは一つではありません。「支援」と書かれた募集が、すべて税金の控除を受けられる寄付に当たるわけではありません。たとえばREADYFORでは、対象団体への対価性のない支援など、控除を受けられる条件を案内しています。 出典:READYFOR「寄付型クラウドファンディング」 いくらから、どこへ寄付できる? 金額は団体や寄付方法によって異なります。次は、少額から参加できる具体例です。 支えたいこと | 寄付先・方法 | 金額の例 | 学生の学びや研究を、給付型奨学金で支える | 公益財団法人ガクシー財団の一般寄付 | 都度・継続とも1,000円から | 野生動物や自然環境を守る | WWFジャパンの都度寄付 | 1回500円から | 世界の子どもの保健・栄養・教育を支える | 日本ユニセフ協会のマンスリーサポート | Web申し込みは月500円から | 国内の子どもの学びや居場所を支える | カタリバの「毎月のご寄付」(NPOカタリバサポーター) | 月1,000円から | 金額・受付条件は2026年10月18日時点です。都度寄付と継続寄付では条件が異なるため、申し込み画面で選んだ方法を確かめてください。 月1,000円を12か月続けると、年間の寄付額は12,000円です。家計への負担を考えるときは、一度の額だけでなく、一年の合計も目安にすると続けやすくなります。 出典:ガクシー財団「ご寄付について」、WWFジャパン「寄付する」、日本ユニセフ協会「毎月のご寄付について」、カタリバ「毎月のご寄付」 ほかの分野も比べたい方は、目的別の寄付先13団体と選び方をご覧ください。 個人で寄付するには?申し込みから支払いまで 「分野は決まったけれど、何から始めればよいかわからない」という場合は、寄付先・金額・回数・支払方法を一つずつ決めると申し込めます。次は、公式の受付条件に沿った二つの例です。 学生の学びを、一度だけ1,000円で支える場合 当財団の一般寄付は、都度・継続とも1,000円から受け付けています。まず一度参加したい場合は、都度寄付の希望を伝えます。現在のWeb窓口は問い合わせフォームで、送信後に担当者からご連絡する流れです。 図で見る1,000円の都度寄付:申し込みから確認まで 01支援内容を読む寄付の案内で、給付型奨学金として届く仕組みを確認 02希望をフォームで伝えるお問い合わせから「一般寄付を一度だけ、1,000円で希望します」と記入。氏名・メール・電話番号なども入力 03返信を確認して支払う支払方法・金額を確認し、決済や振込へ。フォーム送信だけでは支払いは完了しません 04書類と報告を確認する受付・支払いの記録、領収書を保管。税額控除には対象法人の証明書の写しも必要。活動報告の内容・頻度は制度ごとに確認 これは、1,000円を特定の学生へ直接渡す申し込みではありません。対象や名称から決めたい場合は、給付原資50万円から、別途運営費(基本15%)の冠奨学金について相談できます。 出典:当財団「ご寄付の流れ・少額寄付のFAQ」、お問い合わせフォーム(2026年10月18日確認) 病気の子どもに付き添う家族を、月300円で支える場合 ロナルド・マクドナルド・ハウス・ジャパンは、病院の近くに家族の滞在場所を設けています。家族が子どものそばで過ごせる環境を支える活動です。 図で見る月300円の継続寄付:始める前の確認 01月額と年間額月300円を12か月続けると、年間3,600円 02申込方法公式ページから、カードならオンライン。口座振替なら申込書を郵送 03領収書と停止方法翌年の発行時期と、電話での停止手続きを確認 継続寄付の領収書は、同財団への入金分を年ごとにまとめ、翌年1月下旬〜2月上旬に発行されます。停止したいときは公式ページ記載の電話窓口へ連絡しますが、手続きの時期によっては翌月の請求に間に合わない場合があります。少額でも、年間の支出と止め方までわかったうえで始めることが大切です。 出典:支援方法・停止・領収書の案内、利用料に関するFAQ、名称変更と利用料無償化のお知らせ 寄付金控除で税金が軽くなる場合がある 一定の条件を満たす寄付は、所得税の控除を受けられます。すべての寄付が対象になるわけではありません。 寄付先や使い道などによって、対象となる制度が異なります。 対象となる寄付には、所得から差し引く「所得控除」があり、認定NPO法人や一定の公益法人などへの寄付では、税額から差し引く「税額控除」を選べる場合もあります。通常は確定申告が必要です。 たとえば、その年の控除対象となる寄付が合計2,000円以下なら、その寄付による所得税の控除はありません。寄付額がそのまま戻る制度でもないため、控除で戻る額をあてにせず、寄付額を支払えるかで家計を考えます。対象の見分け方や計算例は、寄付金控除の条件・計算・確定申告の方法にまとめています。 出典:国税庁「一定の寄附金を支払ったとき」 寄付についてよくある質問 Q. 匿名でも寄付できますか? できます。ただし、名前を公表しないことと、寄付先にも氏名を伝えないことは別です。 たとえば当財団では、寄付者名のWebサイトや年次報告への掲載を希望しない選択ができます。この場合も、領収書などに必要な情報は財団内で管理します。 氏名や住所を入力せずに寄付したい場合は、日本ユニセフ協会が案内するPayPayアプリ内の寄付などが選択肢です。寄付者を特定できず領収書も発行されない方法では、寄付金控除は受けられません。控除を受けながら名前の公表を避けたい方は、寄付先には氏名を伝え、氏名の掲載を希望しない方法を選びます。店頭の募金箱なども、領収書の発行条件を確認してください。 出典:ガクシー財団「寄付のご案内」、日本ユニセフ協会「募金全般について」、国税庁「一定の寄附金を支払ったとき」 Q. 寄付とボランティアは何が違いますか? 一般に、寄付はお金や物を提供する方法、ボランティアは自分の時間や技能を使って活動に参加する方法です。現地へ行く時間がなくても寄付で支えることができ、両方を組み合わせることもできます。 Q. 継続寄付は、途中でやめられますか? 停止の手続きが用意されている団体が多く、たとえば日本ユニセフ協会は電話やメールなどで受け付けています。手続きが間に合う月から停止するため、次回の引き落とし直前では間に合わない場合があります。申し込み時に窓口と締切を控えておくと安心です。 出典:日本ユニセフ協会「毎月のご寄付について」