寄付金控除には、寄付する期限と、控除を申請する期限があります。2026年分の対象は原則として2026年1月1日〜12月31日の寄付で、確定申告の期間は2027年2月16日〜3月15日です。ふるさと納税のワンストップ特例は寄付後に申請でき、期限は原則として翌年1月10日です。自治体ごとの案内を確認して間に合わせます。 ただし、年内扱いになる寄付の受付は、12月31日より早く終わることがあります。 これから寄付する方、申請する方、申告を忘れた方に分けて、期限と必要な手続きを説明します。 寄付金控除の期限を、4つの状況から確認 01これから2026年分の寄付をしたい 期限原則2026年中。ただし寄付先・決済方法別の年内受付期限に従う 今すること今年分になる支払い方法と期限を選び、支払いまで完了する 02ふるさと納税でワンストップ特例を使いたい 期限原則翌年1月10日。2026年分は仙台市が2027年1月10日、港区が1月12日と案内 今すること寄付先それぞれの2026年分の案内に従って申請する 03一般寄付やふるさと納税を確定申告したい 期限2027年2月16日〜3月15日。申告義務のない方の還付申告は1月から可能 今すること同じ年の受領証と所得の資料をそろえる 04過去の寄付の申告を忘れていた 期限還付申告は原則翌年1月1日から5年間。申告済みの訂正は手続き・起算日が異なる 今すること寄付した年の申告書を提出済みか、申告義務があったかを調べる 公益法人・NPO等への一般の寄付は、ワンストップ特例の対象外です。また、還付申告で戻るのは納め過ぎた所得税です。納付した所得税がなければ、所得税の還付はありません。申告義務がある方は「5年間待てる」と考えず、期限までに申告します。 出典:国税庁「申告と納税」、「還付申告」、「ふるさと納税」、仙台市の手続き案内、港区の手続き案内 ふるさと納税の寄付期限とワンストップ特例の申請期限 ふるさと納税も、2026年分にするには申し込みだけでなく支払いの完了が必要です。例えば珠洲市は、オンライン決済では申し込みと支払いを年内に済ませ、2026年12月31日までに入金を確認できたものを年内分としています。支払期限は自治体・方法ごとに異なるため、年末に申し込む場合は受付案内を読んでから決済を終えます。 出典:珠洲市「年末年始の取扱い」(2026年分の案内、2026年10月18日確認) ワンストップ特例を使えるのは、確定申告・住民税の申告をする必要がなく、寄付先が年間5自治体以内などの条件を満たす方です。同じ自治体へ複数回寄付しても、自治体数は1つと数えます。 2026年分のワンストップ特例はいつまで? 2026年分について、仙台市は2027年1月10日(日)必着、港区は2027年1月12日(火)と案内しています。港区には土日祝日の場合は翌開庁日とする注記がありますが、これを全自治体に当てはめることはできません。原則の1月10日を目安に準備し、寄付先ごとの当年の期限までに手続きを終えます。 図で見るワンストップ申請は、寄付先ごとに3点確認 01申請方法と期限を調べる寄付履歴を一覧にし、同じ自治体への複数の寄付も漏れなく確認 02オンラインか郵送で申請する郵送は申請書に個人番号・本人確認の書類を添え、期限までに到着させます。対応自治体ではマイナンバーカード等によるオンライン申請も可能 03受付状況・登録情報を照合する申込時に「利用する」を選ぶだけでは完了しません。申請書が届かなければ自治体サイトから入手。翌年1月1日までに氏名・住所が変わった場合は、案内に従って変更を届け出ます 間に合わなかった場合や、ほかの控除を申告する場合 ワンストップ特例の期限を過ぎても、確定申告へ切り替えて控除を受けられる場合があります。一般の寄付金控除や医療費控除などで確定申告をするときも、提出済みのワンストップ申請は無効になります。 図で見る確定申告へ切り替えるときは、寄付をまとめて記載 例:3自治体へワンストップ申請済みで、財団への寄付も確定申告する場合 申告する寄付財団の分 + 3自治体すべての分ワンストップ申請済みの分も、申告書に含めます。 控除が漏れる書き方財団の分だけ/未申請の分だけ申告書に記載しなかったふるさと納税分の控除が漏れます。 出典:国税庁「ふるさと納税」、仙台市「ふるさと納税手続き」、港区「ワンストップ特例申請について」、港区の案内PDF(2026年10月18日確認) 公益法人・大学・NPO等への寄付は、支払い方法で締切が違う 公益法人や大学、NPO等への寄付では、カードで支払っても、その日の寄付扱いにならないことがあります。年内の控除対象にしたいときは、寄付先が発行する領収書の「受領年月日」が重要です。申込日やカードの引落日と一致するとは限りません。 2026年の具体例:一橋大学基金 一橋大学基金の2026年末の案内では、年内の入金になるオンライン申込の期限を、決済方法別に示しています。 図で見る一橋大学基金:決済方法による締切の違い 2026年11/15JCB・AMEXこの日までにカード寄付を申し込む 2026年12/15その他のカード/ペイジーカードは申込、ペイジーは申込と振込を済ませる 2027年1月領収書が届く入金確認後、1月中に届くよう順次発送 一橋大学基金の2026年末の案内。他団体や別の方法の締切には置き換えられません。 同じ大学へのカード寄付でも、ブランドによって1か月の差があります。領収書は入金確認後、2027年1月中に届くよう順次発送する案内です。書類が翌年に届くことと、寄付が翌年分になることは別だと分かります。 これは一橋大学基金の条件です。他団体や別の支払い方法の締切には置き換えられません。 出典:一橋大学基金「年末のご寄付について」(2026年10月18日確認) 寄付先によって受領日の扱いも違う 国境なき医師団、日本ユニセフ協会、プラン・インターナショナルも、年末の受領日の注意点を公開しています。次は2026年10月18日時点の公式案内です。 寄付先・方法 | 受領日の決まり方 | 年末に注意する時期 | 国境なき医師団・都度のカード寄付 | カード会社から団体への入金日。申込完了の約1〜2か月後 | 11月以降の申込は翌年の受領日になる場合がある | 国境なき医師団・Web申込みのコンビニ、ペイジー等 | 収納代行会社から団体への入金日 | 12月11日以降の支払いは翌年の受領日になる | 国境なき医師団・ゆうちょ銀行の払込み | 払込取扱日 | カードや収納代行とは基準が異なる | 日本ユニセフ協会・都度のカード募金 | カード会社から協会への入金日 | 11月上旬以降の申込は翌年の日付になる場合がある | 日本ユニセフ協会・PayPay募金 | 収納代行会社から協会への入金日 | 11月30日以降の申込は翌年の日付になる | プラン・インターナショナル・カード、各種Pay決済 | 決済会社等から団体への入金日。決済の翌月 | 12月の決済は翌年分になる | ※ 横幅のある表は、スマートフォンでは左右に動かして読めます。 国境なき医師団へのコンビニ払いは、申込方法でも扱いが変わります。Webから申し込む場合は表のとおりですが、ファミリーマートのマルチコピー機募金受付サービスでは、12月1日以降の支払いが翌年の受領日になります。 年内に間に合わせるには、単に「カードか振込か」を選ぶだけでは足りません。寄付先と決済方法を組み合わせて、最新の受付案内を読みます。振込予約やコンビニの支払い番号の取得だけでは、支払いは完了していません。 出典:国境なき医師団「領収書」、日本ユニセフ協会「領収書について」、プラン・インターナショナル「寄付についてのよくあるご質問」 申込日と、領収書が届く日を取り違えない この3つの日付を分けて確認する 01申し込んだ日カード決済などの手続きをした日。 02領収書に記載される日どの年の控除になるかを確認する日付。団体ごとの案内に従う。 03領収書が届く日郵送・電子発行の日。届いた年だけで控除の年を決めない。 申し込み・支払いの日、寄付先の受領年月日、領収書の到着日は別です。支払いの完了メールと振込記録を残し、届いた領収書の受領年月日を照合します。受領日の説明が見つからない場合は、寄付前に次のように尋ねると、必要な情報をまとめて聞けます。 ○月○日に、○○の方法で寄付する予定です。領収書に記載される受領年月日はいつで、何年分になりますか。今年分になる手続きの期限と、領収書の発送予定を教えてください。 2026年分の寄付金控除はいつ確定申告する? 2026年分の寄付は、2027年2月16日〜3月15日に確定申告します。申告義務がなく還付だけを受ける方は、2027年1月1日から提出できます。 図で見る2026年の寄付から、翌年の申告まで 2026年12/31その年の寄付の区切り寄付先・決済方法の受付は、これより早い場合があります 2027年1/1〜還付申告を提出できる申告義務がなく、還付だけを受ける方 2027年2/16〜3/15確定申告の期間2026年中の寄付を2026年分として申告 ふるさと納税のワンストップ申請は別の期限です。前の節で自治体ごとの案内を確認してください。 寄付済みの方は、受領証・必要な証明書と、その年の源泉徴収票など所得が分かる資料をそろえます。税額控除を選ぶ場合は、対象法人であることを示す証明書の写し等も必要になります。 作成コーナーでの入力・提出は、寄付金控除の記事にあるe-Taxの手順で確認できます。寄付した年分を選び、送信・提出後は申告内容と受付結果を保存してください。 控除額の計算と申告書の記入例は、寄付金控除の解説で紹介しています。一般の寄付金控除は年末調整では受けられないため、勤務先へ受領証を渡すだけでは手続きできません。また、2027年に新しく寄付した分を、2026年分へさかのぼって申告することはできません。 出典:国税庁「一定の寄附金を支払ったとき」、「公益社団法人等に寄附をしたとき」、e-Tax「寄附金控除の入力」 領収書が届かないときは、発送予定と登録内容を照合する 領収書は、その都度送る団体と、1年分をまとめて翌年に送る団体があります。発送予定を過ぎても届かない場合は、寄付日・方法・金額・登録氏名を伝えて発行状況を問い合わせます。住所の誤りや、領収書を不要とする設定も確かめてください。 たとえば、公益財団法人ガクシー財団へすでに寄付された方には、入金確認後、通常2〜3週間程度で登録住所へ領収書をお送りします。1〜2月のお申し込みは発送が遅れる場合があります。未着のご相談は、寄付日と登録情報を用意して財団の窓口へお知らせください。 この2〜3週間は書類が届くまでの目安で、年内の寄付の受付期限とは異なります。当財団の2026年分の受付締切は、カード・銀行振込ともに未定です(2026年10月18日現在)。 年内の控除対象にしたい方は、寄付前に窓口へご確認ください。 領収書の誤りは自分で直さず、発行元へ訂正を依頼してください。申告義務がある方は、書類待ちのまま期限を過ぎないよう、税務署へ対応を相談します。 出典:公益財団法人ガクシー財団「ご寄付について」、プラン・インターナショナルFAQ 控除はいつ反映される?所得税と住民税は別の時期 2026年の寄付は、所得税なら2026年分、住民税なら原則2027年度分の税額に関係します。寄付した直後に、寄付額がそのまま口座へ戻るわけではありません。 手続き・税金 | 反映される時期と見方 | 確定申告による所得税の還付 | 申告後に振込等で還付。納め過ぎた税金がある場合に限る | 住民税の寄附金税額控除 | 寄付翌年の6月ごろの税額決定通知書で確認。翌年度の住民税が減額される | ふるさと納税のワンストップ特例 | 所得税からの還付はなく、その分も含めて翌年度の住民税から控除 | 国税庁によると、所得税の還付処理は確定申告期でおおむね1か月〜1か月半、自宅等からのe-Taxでは3週間程度が目安です。訂正や書類不備などがある場合は、この目安より時間がかかります。書類を別送した場合などは、e-Taxの目安に当てはまらないことがあります。利用者識別番号を取得している方は、e-Taxソフト(WEB版)のマイページで還付金の処理状況を調べられます。 住民税の対象となる一般寄付は、自治体の条例指定などによって異なります。所得税の控除対象なら必ず住民税も控除される、とは限りません。通知書で寄附金税額控除の記載や内訳が分からない場合は、住んでいる市区町村の税務窓口へ問い合わせます。 出典:国税庁「税金の還付」、神戸市「ふるさと納税の寄附金が税金から控除される時期」、岐阜県「個人住民税の寄附金税額控除」 申告を忘れたら、還付申告・更正の請求・期限後申告を分ける 図で見る申告を忘れたときは、提出状況から確認 その年の申告書を提出しましたか?提出した法定期限内 → 訂正して再提出 期限後・税額が減る等 → 更正の請求 提出していない申告義務なし・還付が生じる → 還付申告 申告義務があった → 速やかに期限後申告 適用期限・起算日は手続きで異なります。各ケースを以下で確認してください。 申告義務がなく、まだ申告していない場合 納め過ぎた所得税の還付を受ける申告は、原則として寄付した年の翌年1月1日から5年間できます。例えば、申告義務のない方が2025年中の寄付を申告し忘れていた場合、還付申告は原則2026年1月1日から2030年12月31日までできます。対象年の源泉徴収票や寄付の受領証を用意し、その年分の申告書を作成します。 ただし、期限内申告が条件となる他の特例を使う場合は別です。還付申告ならどの控除も5年間待てる、という意味ではありません。 申告済みで、寄付だけ記載し忘れた場合 法定申告期限内なら、正しい内容の申告書を作り直して再提出します。 e-Taxの場合も、訂正した申告書を期限までに再送信します。 法定申告期限後に記載漏れに気づき、税額が減るなどの場合は「更正の請求」を行います。通常は法定申告期限から5年以内です。申告義務のない方が既に還付申告をした場合は、原則としてその提出日から5年以内となり、起算日が異なります。 提出済みの申告書の控えと寄付の受領証を準備します。国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、更正の請求書も作成できます。所得税額が変わらず更正の請求ができない場合でも、住民税の控除が関係することがあるため、市区町村の税務窓口へ相談します。 申告義務があったのに、申告していない場合 気づいた時点で、速やかに期限後申告を行います。納付税額がある場合などは、加算税や延滞税が生じることがあります。寄付の受領証だけでなく、その年の所得に関する資料も用意してください。 自分がどの手続きに当たるか、具体的な金額は、税務署か税理士にご確認ください。 出典:国税庁「還付申告」、「確定申告を間違えたとき」、「確定申告を忘れたとき」、e-Tax「送信した申告書の訂正」、「ふるさと納税」